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ソナチネ(小池真理子)


〈あらすじ〉
生きて、愛して、死ぬ、ということ。
その途方もない歓喜と悦楽。
あなたの心をかき乱す、七つの物語

裏にまわれば、と佐江は思う。あの建物の裏にまわれば、そこに裏庭があるのだ。裏、というのはそういうことだ。そして、裏庭に行ったが最後、自分はきっと、元の世界、自分に用意されていた確かな人生には戻れなくなるのだ。
一刻も早くそうなりたくて、佐江は走り続ける。(「ソナチネ」より)

〈感想〉
小池真理子さんの、久しぶりの短篇集です。←私が読むのが久しぶりなだけかも…?
この人の作品が大好きで、アマゾンから発売されるよって案内が来るとそれだけで予約注文をする私。
今回の作品も、期待を裏切らないお話ばかりでした。
主人公達は、何にそんなに突き動かされているんでしょうか…? まぁ… 物語の中の世界だとは思いますが、心境はわからなくもない。
何とも言えないけだるさと、喉の奥の方が渇いてんだかどーだかわかんないようになる←この表現もわかりづらいですが…
そんなお話達でした。
あ~~~、読んだわ~~~って感じです。

私のなかの彼女(角田光代)


〈あらすじ〉
「もしかして、別れようと言ってる?」
ようやく彼と対等になれるはずだったのに…
恋人の抑圧 母の呪詛 仕事の壁 書くということ
もがきながら自分の道を探す、彼女と私の物語。

20年前彼のことを好きにならなければ、私の人生は違っていたのだろうか。

男と張り合おうとするな。みごとに潰されるから。
祖母の残した言葉の意味は何だったのだろう。
全力を注げる仕事を見つけて、ようやく彼に近づけたのに、和歌と仙太郎の関係は、いつかどこかでねじ曲がった。

〈感想〉
角田光代さんの長編小説です。
引き込まれました… なんか、ハマった…という感じ。
「才能を潰せるのは、その才能を持っているその本人だけだと」いう言葉が、刺さるように響きました。
仙太郎は、ちっちゃい男だなーと思いながら… でも、そんな人が多いよなーとも思い、和歌の仙太郎を通して世の中を見てる状況にもやたらと共感できる部分があり…
ま、そんな感じでやたらとハマった本でした。

幸福な生活(百田尚樹)


〈あらすじ〉
最後の一行がこんなに衝撃的な小説はあったろうか。

「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。
こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に? 二人の関係はバレたのか? 動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。
妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。彼女の目的は何か?
平穏な結婚生活を脅かす危機。俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが……
(「夜の訪問者」より)。愛する人の“秘密”を描く傑作集!

〈感想〉
長篇かと思って購入したら、なんと… 短篇集でした。
どの短篇も最後の一行が衝撃的! 面白いっ!
2つほど、最後の一言はこうよね~ってのがわかりましたが、それ以外は、どれも へぇ~、なるほど~と、唸っちゃうような内容でした。
短篇集なので、区切りも良かったし、お勧めな作品です!