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悲しみよこんにちは(フランソワーズ・サガン)


〈あらすじ〉
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ…。20世紀仏文学界が生んだ少女小説の聖典、半世紀を経て新訳成る。

〈感想〉
サガンの「悲しみよこんにちは」は、中学生の頃に一度読んだことがある。
なぜ今サガン?って感じだけど、少し前に「恋する世界文学」という本を読み、久しぶりにものすごーく読みたくなったのダ。
中学生の頃の私は、レイモンの浮気な性格とゆーか、なんじゃそりゃ?って感じのプレイボーイな生活が、全く理解できず… セシルの気持ちを中心に読み、不幸な結末もふーん…という感想をもったくらいだった。(たぶん…)
…が、今回は、アンヌの気持ちで読み、ワガママで扱いにくい18歳のセシルの行為に、レイモンのことをよほど好きじゃなきゃ再婚したいなんて思わないだろうなぁ…という感想をもった。
アンヌは、どうして結婚したいと思ったんだろう?(まぁ、よほど好きだったから、あーいう結末だったわけよね…)
アンヌの計算?も、まぁ、わかる。
レイモンがエルザに対して持った感情も、まぁ、わかる。
それは、今の歳にならないとわからなかったことよね…
あぁ、恋愛って… という小説だけど、今さらながら、サガンの天才ぶりを感じるわ。